ネパール大地震による被害はとても甚大
こんにちは。
連日、ネパールの大地震の被害状況が明らかになっています。
犠牲者の人数も日に日に増えていくばかりで、とても胸が痛みます。
ネパールはあまり資源のない国だそうで、観光で成り立っている国です。
被害状況が一段落したとしても、今後の復興はなかなか厳しい状況なのではないでしょうか。
私はずっとネパールに行きたいと思っていまして、子供が少し大きくなったら、一緒にトレッキングをしに行きたいと思っています。
今回の地震の復興のために募金をしたいと思っている方も多いと思います。
募金という行為は素晴らしいことだと思います。
この募金に対して、税の優遇措置があることをご存じでしょうか?
募金をした人が確定申告で一定の書類を出せば、支払う税金の金額が少なくなります。
サラリーマンの方でしたら、税金の還付が受けられることになります(サラリーマンの方は、会社で年末調整をされているかと思いますので、別途確定申告をして税金の還付を受けることになります)
この手続きはそれほど難しいものではないので、個人の方でも少し調べれば簡単にできるはずです。
募金をすることで、自分にとっても利益がある。
これは不純なことではありません。国が認めた正当な権利ですし、募金を集めたい団体もこの優遇措置があるからこそたくさんの募金を集めることができるのです。
有効に使ってほしいと思います。
税金の優遇措置とはどんなものか?
税金の優遇措置には2つのカテゴリーがあります。これらについて簡単に説明したいと思います。
寄付金控除(所得控除)
納税者が特定寄付金を支出した場合には、寄付した金額と総所得金額等の40%のいずれか少ない金額から2,000円を控除した金額を寄付金控除として所得から控除することができます。
ここで、特定寄付金とは
- 国、地方公共団体に対する寄付金
- 公益社団法人、公益財団法人その他公益を目的とする事業を行う法人or団体に対する寄付金のうち財務大臣が指定したもの
- 特定公益増進法人に対する寄付金
- 認定特定非営利法人(いわゆる認定NPO法人)に対する寄付金
などを指します。
たとえば、所得金額が3百万円の人がいたとします(年収ではなく所得ですよ)。
その人が3万円の寄付をしたとします。
その場合、次のように計算します。
寄付の金額30,000円-2,000円=28,000円・・・①
総所得金額3,000,000円×40%-2,000円=1,198,000円・・・②
寄付金控除額 ①と②のいずれか少ないほうの金額・・・28,000円
そうすると、所得金額が3百万円の方という前提ですので、最終的な所得税の計算は以下のようになります。
3,000,000円-28,000円=2,972,000円
2,972,000円×10%(所得税の税率)-97,500円=199,700円(所得税税額)
もし、寄付をしなかった場合の税額は202,500円となりますので、2,800円ほど税金の金額が少なくなっています。
公益社団法人等寄付金特別控除or認定NPO法人等寄付金特別控除(税額控除)
個人が公益社団法人や公益財団法人あるいは認定NPO法人に寄付した場合に、所定の計算により所得税の金額から一定の金額を差し引くことができる制度のことをいいます。
こちらの制度は国や地方公共団体が特別に認めた公益社団法人、公益財団法人、認定NPO法人などに対して行う寄付について行えるかなり限定的な制度なので、各団体のHPなどでしっかり確認が必要です。
さきほどの寄付金控除は所得の金額から一定額を差し引くことができました。この制度はまず税金の計算を行い、結果として算出された税金から直接、寄付に関連した一定額を差し引くことができます。違いがわかりますかね?下の例を見ていただければわかると思います。
一般論としてはこちらの制度のほうが納税者にとって有利となります(必ずとは言えませんので、申告をする際には確認が必要です)。
例で見てみましょう。さきほどと同じように所得が3百万円の人がいたとしましょう。その人が認定NPO法人に3万円の寄付をしたとしましょう。この年、ほかに寄付はしなかったと仮定します。
総所得金額3,000,000円×40%=1,200,000円・・・①
寄付金の金額30,000円・・・②
①と②のうちすくないほうの金額30,000円・・・③
(③-2,000円)×40%=11,200円←これが控除額となります
所得税の金額=3,000,000円×10%-97,500円=202,500円
所得税×25%=50,625円(この制度は所得税の金額の25%までを限度としています。)
今回のケースでは11,200円<50,625円ですので、11,200円を控除額とできます。
寄付を行わない場合には、所得税の金額は202,500円ですが、今回の税額控除の制度を使うと、実際に納付する税金の金額は、
202,500円-11,200円=191,300円
となります。上の寄付金控除の制度よりも、かなり税負担が軽くなることがおわかりいただけますか?
制度を利用する際の注意点
まずは寄付をしようとしている団体のHPなどで、税金の優遇措置が受けられるかを調べておくこと。そして、実際に寄付をする際には必ず領収証の希望を伝えることです。私が調べた限りでは、この優遇措置を受けられる団体のHPには、領収証を発行する場合の手続きについて記載がありました。
また、実際の確定申告を行う際には所得税のみならず、住民税に関しても税負担が軽くなる可能性があります。お住まいの都道府県や市町村によって各種団体に対する寄付を優遇しているかどうかにかかっているのですが、こちらについてはネットなどでお調べになられたほうがいいです。
たとえば、下記で挙げているユニセフについてはHP上に個人住民税についての記載もありました。
手続きとしては、申告の際に確定申告書の第二表の下のほうにある「住民税・事業税に関する事項」というところに寄付金の金額を記載して、領収証を付けるだけです。
どの団体がいいのか?
どの団体に寄付をするかはみなさんのご判断だとは思いますが、メジャーな団体などをお知らせしておきますね。
日本赤十字社
こちらは、いわずと知れた団体です。税の2つの優遇措置のうち、最初の寄付金控除のみ受けることができます。ネパールの募金も行っています。
ユニセフ
こちらも皆さんご存知だと思われます。子供たちへの支援を行っている団体です。ネパールのこどもたちは厳しい状況にありますので、子を持つ母親の私としては寄付をしたい団体の一つです。
こちらの団体は公益財団法人ですので、寄付金控除(所得控除)と公益社団法人等寄付金特別控除(税額控除)のどちらかの制度を選択して適用できます。
国際協力NGOセンター(JANIC)
いろいろなNGO(非政府団体)がありますが、300以上のNGOを取りまとめている団体です。こちらに寄付をすればいろいろなNGOに支援を行うのと同じ意味があるかと思われます。昨日NHKのニュース深読みに出ていらっしゃったシャプラニールというネパールに多くの人脈やルートを持つNGOもこちらに入っているようです。
この団体に寄付を行えば、寄付金控除(所得控除)と認定NPO法人等寄付金特別控除の選択適用ができます。
私もどこかの団体を選んで寄付をしたいと思います。
支援の輪を広げたいですね。
ではまた。