個人事業から会社へ|不動産賃貸業の大家さん

不動産賃貸業の大家さんが作る会社の形態

こんにちは。東京都日野市の女性税理士 坂 有希子です。

先日、不動産賃貸業の大家さん、そのまま個人事業でいいですか?
という記事を書きました。今日はその続きです。

個人事業で大家業をやっていくよりも、場合によっては会社を設立して、それを活用したほうが節税効果があります。
それでは、大家さんが会社を作る場合、どんな形態の会社となるのでしょう。

管理運営方式

管理運営方式の会社とは、賃貸人である大家が、その賃貸用不動産に係る家賃の受取りなどの管理業務を、大家本人が設立した不動産管理会社に委託するというものです。
この不動産管理会社の収入は、大家から管理業務を委託されたことに対する管理料のみです。あくまでも、家賃の受取などの管理業務を行うだけであり、賃借人から支払われる家賃(収入)は大家本人の個人事業の収入となります。

不動産管理会社を設立すると、大家から不動産管理会社に管理料の支払いが行われます。
それは大家の経費となり、一方で不動産管理会社の収入となります。
つまり、大家が支払う管理料相当額が個人から法人に付け替わることで節税効果が得られます。
ただし、不当に高い管理料は認められませんし、不動産管理会社の管理の実態が税務署から指摘を受ける恐れがあります。

一括転貸方式

一括転貸方式の会社とは、大家が所有する賃貸用不動産を、大家自身が設立した法人へ一括して賃貸し、その法人が賃貸用不動産を入居者へ転貸するというものです。
一括転貸方式では、入居者と賃貸契約を締結するのは法人です。そして、法人は大家に対して、一定の賃借料を払います。

たとえば、法人は入居者から賃料1,000円を受け取ります。それが法人の売上です。
そして法人は物件の賃借料として大家に900円支払います。これは法人の経費となり、一方で大家の個人事業の収入になります。
不動産管理方式に比べると、高い管理料を設定することができますので(賃借人から受取る賃料から大家に支払う賃料を差し引いた金額が実質的な管理料となります)、より高い節税効果を得ることができます。
ただし、賃貸不動産を一括して借り上げるので、物件に空室が生じたとしても、大家に支払う管理料は一定です。したがって、空室リスクは法人が負うことになります。

不動産保有方式

不動産保有方式の会社とは、管理運営方式や一括転貸方式とは異なり、法人自身が不動産の所有をするというものです。
一般的には、大家の土地は大家自身の所有としたまま、建物を法人所有とします。
この方式ですと、賃借人から受け取る賃料は全額法人に帰属し、大家に対しては土地の地代を支払ったり、役員報酬を支払ったりするだけです。
この方式が一番節税効果が高いといえるでしょう。

今から始める人は不動産保有方式を考えるべき

今から不動産投資をして大家になろうという場合には、不動産保有方式の会社をお持ちになるのが理想的です。
法人を設立して、自分が持っている土地の上に法人所有の建物を建築する。建築費用は法人名義で借入を行う。
これができれば、一番いいですね。

現在、個人事業で不動産賃貸業を営んでいる大家さんは、節税効果が高かったとしても、簡単に不動産保有方式には移行できないと思われます。
個人で借入をしている場合、物件を法人で所有することに銀行側がいい顔をしない場合もあるでしょう。また、仮に銀行側が法人所有を認めてくれた場合でも、登記の書き換えの問題も起こります。
不動産所有法人の設立が難しい場合には、建物所有権が大家になる管理運営方式か、一括借上方式をとることになるでしょう。
残っている借金の金額や建物の経過年数によって、とるべき方法は違ってきます。ケース・バイ・ケースなので、法人化を考える方はぜひ専門家の話を聞いてみたほうがいいでしょう。
いずれにせよ、不動産賃貸業は長い期間で行うものです。また、相続の問題なども絡んできます。いろいろ考えておくことをおススメします。

ではまた。

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