ハンドメイド経理講座 | 一番悩ましい価格設定について

X100Tで撮影。葉山にて。

価格設定は製造業にとっての生命線

こんにちは。

秋になってきて、だんだん夏仕様の服装、アクセサリーはおかしいな~と思い始めています。ハンドメイドの販売サイトで、ピアス、ネックレス、ヘアアクセサリーなどの小物を物色する日々です。

ハンドメイドのサイトを見ていると、「アクセサリー」にカテゴライズされる商品の数はものすごく多いですね。

これほどまでに、ハンドメイド作家さんが増えており、サイトで販売することが当たり前の世の中になってきたのかと感心しております。

ところで、この販売サイトを見ていると、安い商品から、ものすごく高い商品まで色々あるな~という印象をいつも持ちます。

安かろう悪かろうというのでは困りますが、こんなにかわいくて手が込んでいるのに、こんなに安くていいのだろうかと思うものもいっぱいあります。実際に買ってみて、こんなに安く作っていただいていいのだろうかと思うものもありました。

反対に、原価はそれなりにかかっているかもしれないけれど、それにしても高いな~というものも中にはあります。

価格の設定をするのは、制作者であり販売者であるハンドメイド作家さん自身なので、自分の納得のいく価格を付けているのでしょう。
けれど、なにか根拠のある価格設定になっているかは正直疑問です。
他の商品がこの値段だから自分もこのくらいにしようかな?といって価格設定しているケースも多いのではないでしょうか?

ハンドメイドの商品というのは、量産品ではないので、大量に同じ材料を仕入れて大量に同じ商品を生産して・・・ということはしませんよね。
受注生産も多いでしょうし、個々の商品ごとに価格を設定するかと思います。

ここで価格が安ければ、それなりに売上数量が増えるでしょうし、逆に価格が高ければ、売上数量は減少してしまうでしょう。

やはり人間ですから、販売サイトに掲載しているからには、それなりに反響がほしいと思うかもしれませんね。多少価格を抑えても売上数量が増えることに重点を置くかもしれません。

それはもちろん構いませんが、これだと「薄利多売」ということになり、正直儲からないかもしれません。
もしかすると、薄利どころか、少しずつ赤字を垂れ流すということにもなりかねません。結果として、しばらく販売を続けてみたものの全然儲かっていないという状況になってしまうかもしれません(持ち出しをしていたという可能性も)。

価格設定というのは、製造業にとっては、とてもとても重要な問題なのです。

見積もりをしっかりと

ハンドメイド制作を始める方は、最初にどのようにしてサイトに掲載するかはよくわかりません。

ある程度、自分で製作をしていて、これなら商売として成り立つと思った上で掲載するのであれば、ある程度、製造にかかる原価というものは集計できているかもしれません。

一方、ハンドメイド制作を始めてすぐにサイト掲載を始めたような方であれば、原価の見積もりというものはできておらず、ある程度見切り発車ということもあるかもしれません。

どちらの方も価格を設定する前には、見積でいいので原価を集計してほしいです。

ハンドメイドの商品の場合の価格は、原価を積み上げていって、その上に目標の利益を乗せたものにしておくことが必要です(積上原価方式による価格設定)。

例えば、ピアスを製作するとします。

通常、1個作るのではなく、同じものを10個くらい作りますよね。

そのときにかかるであろう原価を集計します。

材料費の見積額、自分の人件費の見積額(時給×製作時間)、付随費用の見積額(包装料)

などがだいたいの原価でしょうか?

仕損じや材料が不良品である場合なども加味して計算に入れておきます(これは製造業では基本です)。少し大目に見積もっておく必要があります。

そうすると、あくまでも見積もりベースですが、ピアス製作10個あたりの原価が集計できますね。
それを10で割ると、一個あたりの見積原価が割りだせます。

そこに自分の目標の利益を乗せます。

ここで注意したいのが、販売手数料と製造に直接は関係しないが発生する原価です。

販売手数料は、売上金額に対して何%という形でかかってきますので、それも計算に入れる必要があります。

また、製造には直接関係しない原価というのは、たとえば光熱費や家賃のようなものです。
それがあることも忘れずに目標の利益というものを見積もってください。

そうすると、自分の希望する見積価格というものは設定できます。

これを他の競合商品と比較してみましょう(比較はサイトで簡単にできますね)。

ひょっとすると大分高くなってしまっているかもしれませんね。

どうやったらもう少し安く製作できるか、どのくらいまでだったら利益を落としてもいいかを考えます。

すごく面倒ですよね。けれど、こうやって考えていかなければ商売としては成り立ちません。
自分の作ったものを誰かに使ってもらいたい!
という想いだけであれば、原価のみ回収できれば問題ないかもしれませんが、やはり長く続けていくモチベーションを維持するためには、利益を出していかなければなりません。

実際にかかった原価はきちんと集計してみる

先ほどまでの話は、見積もりの話です。

実際に制作をしてみると、見積もりとは違う部分が出てくるはずです。

材料が思ったよりも高かったとか、時間が思いのほかかかってしまったということもあるでしょう(逆のケースもありますね)。

それもしっかりと集計しておきましょう。

後に別の商品を作るときの参考にもなりますし、きちんと管理して集計する意識を高めれば、材料の無駄などを防ぐこともできるでしょう。

Plan→Do→Seeというサイクルは聞いたことがあるかと思います。

計画し、実行してみる。そして、それを振り返る。

このサイクルの繰り返しで、より絶妙な価格設定ができるようになるはずです。

ズボラな私がもしハンドメイド作家さんだったら、こんな面倒なことはできないかもしれません。大変なのはわかっているのですが、少しでも取り入れていただいて、上手な価格設定をしてみてくださいね。

ではまた。

確定申告のご相談も承ります

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