少額の固定資産の売却は譲渡所得とすべきかどうか

確定申告で悩むかもしれない少額の固定資産の売却

こんにちは。

確定申告の準備をしている方も多いと思います。

今日は、もしかすると悩む方がいらっしゃるかと思う「少額の固定資産の売却」についての話です。

10万円未満の少額減価償却資産は、金額が小さいので減価償却の対象の資産とするのではなく、購入した期に全額損金(経費)とすることができます。
たとえば9万円で事業用に電動自転車を買った場合などですね。
その場合の仕訳は、購入したときは

(借)消耗品費 90,000円 (貸)現金預金 90,000円

となります。

もしこのような資産を次の年に何らかの理由で売却したとします。

その場合には、所得税の確定申告を行うときに、譲渡所得とすべきかどうかが問題となります。

このような少額の資産を売却した場合には、その資産は棚卸資産に準ずる資産と考えることができ、譲渡所得にはしません。

さきほどの例でいくと、前の年に90,000円で購入した電気自転車を翌年に60,000円で売却したとします。

すると、前年に全額経費としてしまっていますので、売却した年には以下のような仕訳をすることになります。

(借)現金預金 60,000円 (貸)固定資産売却収入 60,000円

この収入を確定申告では、事業収入に含めて集計することになるのです。

一括減価償却資産はどうするか

一括減価償却資産とは、20万円未満の減価償却資産で、その資産の法定耐用年数とは関係なしに、購入した年から3年で均等額で償却する資産のことです。

これも上の例と同じように、棚卸資産に準ずる資産と考えることができますので、確定申告においては譲渡所得とする必要はありません。

これも例でみてみましょう。

ある年に、150,000円でバイクを購入したとします。

<購入した年に必要な仕訳>
(借) 一括減価償却資産 150,000円 (貸)現金預金 150,000円
(借) 減価償却費      50,000円 (貸)一括減価償却資産 50,000円
→150,000円を3年で均等額償却しますので、減価償却費は50,000円となります。

これを次の年に、120,000円で売却したとします(期中売却)

<売却した年の仕訳>
(借) 現金預金 120,000円 (貸)一括減価償却資産 100,000円(※1)
売却益            20,000円

という仕訳をする必要があります。
(※1) 150,000円で購入したバイクのうち、前の年に減価償却をした金額は50,000円ですので、帳簿上100,000円の資産が残っていることになりますので、このように取崩しの仕訳を入れます。

そして、この売却益20,000円を事業の収入に含めて集計することになります。

10万円以上30万円未満の少額減価償却資産はどうなるか?

少額減価償却資産とは

中小企業者に該当する青色申告者が平成18年4月1日から平成28年3月31日までに取得原価が30万円未満の減価償却資産を取得し、不動産所得、事業所得などが生じる業務に使用した場合には、その減価償却資産の取得価額相当額を業務の用に供した年に全額必要経費とすることができます。このような全額経費として計上する資産のことを少額減価償却資産といいます(減価償却の明細に記載が必須となる点注意が必要です)。

少額減価償却資産を売却した場合は譲渡所得とすべきか

この場合には、上の二つとは異なり、売却益を譲渡所得(総合譲渡)とする必要があります。

例えばある年に、250,000円でパソコンを買ったとします。

購入した年は、
(借)消耗品費 250,000円 (貸)現金預金 250,000円

とします。

そして、たとえばこの資産を購入した次の年に100,000円で売却したとします。

売却時の仕訳は

(借)現金預金 100,000円 (貸)固定資産売却収入 100,000円

となり、この100,000円の全額が、譲渡所得(総合譲渡)になるのです。
(購入した期に全額経費としていますので帳簿上の資産はなく、売却代金が全額「収益」となります)

すこし難しかったでしょうか?普通に確定申告をする事業者の方でも十分にあり得る事例ですので、ご参考になればと思います。

ではまた。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする