東芝の不正会計処理問題について|経営者による不正は罪が重い

東芝の不正会計処理については怒りを覚える

こんにちは。

テレビや新聞などのメディアで東芝の不正会計処理の問題が大きく取り上げられています。
以前から問題にはなっており、最初に話題になったときには、「これは氷山の一角ではないか?」と思っておりましたが、ここ数日の間に、さらに大きな問題になってきました。

私は、公認会計士として、大手監査法人で10年ほど勤務しておりました。現在は、個人事務所を開設して独立しており、監査の仕事からは遠ざかってしまっています。

しかし、監査法人で国内の上場企業の監査に携わってきた身としては、今回の問題には非常に憤りを覚えます。

私の尊敬する先輩方や後輩たちはまだまだ監査の現場で必死に頑張っているのです。

そんな努力をあざ笑うかのような今回の出来事。まったく虚しい限りです。

経営者による不正は罪が重い

企業とは人間の集まりですので、いくら規則があったとしても、いろいろな考えが渦巻き、常に不正や誤謬(誤りのこと)のリスクが付きまといます。

たとえば、営業成績がよくないと査定に響くからという理由で、実際には売れていない商品を売れたかのように装うなどの不正が起こる可能性があります。

また、従業員が失敗を起こしてしまい、それを隠ぺいしようと画策して不正を行うといった可能性もあります。

ただ、そういう不正は、「内部統制」という組織内の相互の牽制の作用によって防止されるのです。

相互牽制とはどういうことか?

それは一人で処理を行わないこと。一人が処理したものは、必ず誰かがチェックをし、内容が正しいか、会社のルールに沿ったものであるかを確認するということです。

「内部統制」がしっかりしているのであれば、ある程度の不正は防げるのです。

そのため、監査を行う前提として、組織内の内部統制が有効に機能しているかということをチェックします。
そのようなチェックが2007年ごろからされるようになり、監査法人は内部統制の有効性の評価手続きというものを行っています。

そのようなチェックをした上で、会計監査というものを行います。
これは、企業が公表する財務諸表に誤りはないか、不正な会計処理はないかということを評価する手続きです。

内部統制の有効性を一番阻害する要因は何か?

それは経営者自身による不正なのです。

経営者がしっかりしていて、会社の規則やコンプライアンスを順守する姿勢があれば、企業の内部統制は有効に機能するのです。

今回の東芝の問題は、経営者自身による不正、トップダウンの不正という点で、非常に深刻な問題であり、罪は重いといえるでしょう。

マーケットや他の企業に与える影響も大きい

公認会計士の監査は、証券市場の信頼性のためには欠かせない重要なものです。

不正を防止し、財務諸表の適正性が担保されていなければ、誰も信用して株式を購入することはできません。
企業にとっては円滑な資金調達ができなくなってしまい、日本の企業活動を低迷させてしまうことになります。

東芝の経営陣たちも、そういうことは十分にわかっていたはずです。
なのに、自分たちだけがちょっとした不正をするのは構わないだろうという大きな甘えがあったのでしょう。

東芝にお勤めの従業員の方、東芝の株式をお持ちの方は本当にお気の毒です。

しかし、この問題は一企業の問題にはとどまらないでしょう。

日本の企業の信頼性、監査の信頼性の失墜にもつながる話なのです。
監査の現場を離れてしまっていますが、本当に許せないな~と思い、つい書いてしまいました。

ではまた。

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