法人化のメリット| 法人実効税率が下がる方向の今、視野には入れておきたい

法人化について思うこと

以前の記事で法人化には慎重であるべきだという主旨ものを書きました。

これは安易に法人化に飛びつくことなく、デメリットも踏まえたうえで熟考すべきという考えのもとに書いています。

しかし、これからますます法人税の実効税率は下がってくることになります。

(実効税率は、法人税率×(1+住民税率)+事業税率/(1+事業税率)として計算されるものです。あまり難しく考えずに、住民税や事業税まで含めた実質的な法人税率と考えましょう。)

現在は32%程度の法人実効税率を将来的には20%台まで引き下げようとしているようです。

所得税の税率は、5%~40%まで段階的に定められており、そこに住民税率の10%や個人事業税の5%まで加えた所得税関連の実質的な税率は、法人税の実効税率と比べて割高になってくる場合もあります(所得水準によります)。

ある程度の所得がある方は、法人化を検討すべきなのでしょう。

法人化するとそれなりに大変な面も出てきます。個人事業ではかからなかった費用がかかるという場合もあります。ある程度の覚悟は必要となります。

ここでは、法人化のメリットについてみたいと思います。

法人化のメリット

信用力

法人とすると対外的に信用力があがります。個人事業と何が違うのかわからないというレベルであっても、特に株式会社であれば、違った目で見られることになります。また、個人事業のように家計と事業が入り混じった経理処理が許されない分、銀行などからの信用も高くなり、融資を受けやすくなります。

さらに、対外的な信用力が高まることで、より優秀な人材を雇用するチャンスも生まれるでしょう。

責任範囲の明確化

個人事業であれば債務の弁済は個人資産のすべてを投げ打ってすることになりますが、法人化すればその責任は自分が出資した範囲に限定されることになり、責任範囲が明確化します(中小企業であれば、債務について個人保証を付けたりすることが多いので、一概に原則通りとはいきません)。

節税効果(給与所得控除)

個人事業では、事業主に給与を出すことはできません。しかし、法人化を行えば、法人から経営者に給料を出すことができます。
そして給料として受け取った金額からは定められた給与所得控除というものを差し引いて給与所得を計算することができるので、給与所得控除分だけ節税効果が生まれることになります。
また、経営者だけではなく、家族従業員などにも給与を出すことができます(労働に対する適正な賃金の範囲内で)。その家族に出した給与からも給与所得控除が差し引けますので、さらに節税効果は高まります。

個人と法人の税率の違い

さきほど述べた個人事業の税率(所得税+住民税率+個人事業税率)と法人実効税率の違いによって、節税効果が生まれる場合があります。

個人事業の場合、所得が多ければ、所得の半分くらいが税金で持って行かれることになるのです。

一方、法人化をすると所得税率とは体系の違う法人税率がかかってきます。法人税率は所得税率とは違い原則として一定の税率となっています(現在であれば32%程度)。所得水準によっては、法人税率のほうが得な場合も出てくるので、節税効果を期待できます。

青色欠損金の繰越

事業で赤字が生じた場合、個人事業主であっても、青色申告事業者であれば3年の繰越控除が可能です。
しかし、法人であれば9年間の繰越控除ができるので、より昔に出した損失を現時点の黒字にぶつけて税金を低く抑えられる可能性があるのです。

出張日当

個人事業の場合には、事業主に出張日当を支払っても経費にはできません。しかし、法人化し、出張日当の規定を定めることで、経営者に対して支払った出張日当も法人の損金(経費)とすることができるのです(受け取った個人においては非課税)。

退職金の支払いが可能

個人事業の場合、退職金を事業主に支払うという概念はありません。また家族従業員への退職金の支払いも必要経費として認められません。

一方、法人化した場合であれば、法人から経営者や家族従業員への退職金を支払うことができます(規定を設ける必要があります)。また、退職金の原資は生命保険の契約をすることで捻出することができます(生命保険料の一部を損金にすることが可能です)。

社会保険加入による保障

個人事業主の場合には、社会保険に加入することができず、国民健康保険と国民年金に加入することになります。しかし、法人化することで、たとえ代表者一人であっても社会保険に強制的に加入となります。これは、メリットでもありデメリットでもあると言えます(社会保険は個人が負担するものと会社が負担するものから成り立っており、支出は増えることになるからです)。ただ、手厚い社会保障が受けたいと考えている方にはメリットとなるでしょう。

事業承継

あまり深くは書きませんが、個人事業主が死亡して相続人に財産を相続した場合は、事業そのものの継続が困難になったり、相続税の支払いのため、財産が散逸する可能性があります。
自分の事業を次世代に残して伝えていきたいと考えるのであれば、法人化により「株式」を発行することで、相続対策にもなっていきます。

今すぐに法人化をしたいと思っていない方でも、確定申告の準備をしている段階で、じっくり考えてみるといいかもしれません。

ではまた。

法人化をご検討の方はこちらから

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