法人化の検討 | 節税だけに気をとられずにちゃんと考えてから

法人化について聞かれることがある

こんにちは。
個人事業主の方とお話しすると、必ずといっていいほど聞かれることがあります。

「法人化ってしたほうがいいでしょうか?」

これはなかなかすぐに回答できない質問なんですよね。

人それぞれなので、一概にいいともいえない。
今日はちょっとこれについて考えてみたいと思います。

本やネットでは法人化について書かれたものが多い

情報化社会ですので、いろんな本が出ていますし、ネットの記事も多いです。
たいていは税理士が書いているので、「法人化すれば節税になる」という論調で法人化を煽っています。

「節税」と謳われる法人化ですが、本当に得するのでしょうか?

法人化で節税ができるというのは、所得税と法人税の税制の違いに起因します。

所得税は、所得の金額に応じて税率が変化します。
課税所得に応じて、5%、10%、20%、23%、33%、40%、45%と何段階にも分かれているのです。
税金は、この所得税のほかに、個人住民税、個人事業税とあります。住民税は課税所得の10%、個人事業税は5%程度かかります(細かい計算はありますが)。

一方、法人は中小法人の場合には、所得が800万円を超える場合には25.5%、所得が800万円以下の部分は15.5%という税率になっています。そのほかに法人事業税、法人住民税がかかってきます。

したがって、法人化を考える場合には、個人事業で申告を行う場合の税率(税金)と法人で申告を行う場合の税率(税金)とを比較することになります。

また、所得税には給与所得控除という制度があります。これはサラリーマンにも経費となるものをあらかじめ認めておこうという趣旨で、一定の金額を給与の金額から差し引いて税金計算ができるという制度です。
法人化して、自分や家族に給与を支払えば、それぞれについて給与所得控除をとれるので、その分が節税になるということです。

節税ばかりに気を取られて安易に法人化に走らない

法人化は確かに節税になります。
ただし、その効果はもしかすると微々たるものかもしれません。その人の所得水準によるとしか言いようがないのです。
最近では所得が500万円を超えてきたら法人化を考えましょうという風潮になっています。

しかし、法人化にはいろいろなデメリット(?)もあるのです。

例えばですが、法人化すると社会保険に加入する義務があります。社長一人だけで運営している法人であっても加入する必要があるのです。そうすると、社会保険料の会社負担分という追加の支出が発生します(給与水準で金額は変わります)。
もちろん、これは経費化できますし、将来の備えとして厚生年金に加入できるというのは、ある意味メリットとも考えられます。ただ、節税だけを考えているのであれば、この支出はいいものとは言えないかもしれません。

また、法人は非常に税務調査のリスクが高くなります。
赤字の法人であれば、それほど調査には来ないかもしれませんが、赤字を垂れ流し続ける企業は存続自体が危ぶまれます。
健全な運営を行って、ある程度成長していけば、そのうち税務調査はやってくるでしょう。

個人事業であれば、税務調査のリスクはあまりないのです(絶対とは言い切れませんが)。

個人事業主の経費のつけ方などを見ていると、適切とは到底いえないようなケースもあります。
個人と事業主との境界線が曖昧であるがゆえに、私的な支出であっても経費として計上しているケースが多いのです。
法人化してもその調子で経理処理を行っていれば、税務調査でなんと言われるでしょうか?

きちんとした運営をしてそれでも法人化したいなら

法人化したい理由は人それぞれです。

単なる節税にとどまらずに、家族で事業を拡大したい。
給料を決まった日にもらいたい。
信用力をつけたい。
「代表取締役社長」と名刺に書きたい。

いろいろあるでしょう。

それはもちろんいいと思うのです。
ただし、いろいろなデメリットや面倒もあるということも覚悟したほうがいいと思うのです。

安易な人のお手伝いはあまりしたいと思いませんが、きちんとした覚悟がある方であれば、ぜひとも応援したいと思います。

ではまた。

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