生計を一にする親族に支払った報酬 | 妻に支払った報酬は税務上経費とはできない

所得税法では夫婦は二人で一人とみなされる

こんにちは。

夫婦ともに個人事業主ということはよくあると思います。
例えば、夫が司法書士、妻が税理士であったとします。
二人はお互いに仕事を手伝ったり手伝ってもらったりしているとします。
あるとき夫が妻に仕事を依頼したとします(たとえば10万円の報酬で)。
夫婦ではないただの知り合いの関係だったとすれば、司法書士は税理士に10万円の報酬を支払いそれを経費とするでしょうし、税理士側では売上10万円を計上します。

しかし、この二人は夫婦なのです。

生計を一にしてする配偶者に支払った報酬は、税金上経費とはできないことになっています。

つまり、この例の場合では、夫が妻に報酬10万円を支払ったとしても、夫はその10万円を経費とすることはできません。
また妻はこの10万円を売上計上する必要もありません。

所得税法上、夫婦は一体とみなされますので、報酬を払う払われる関係にはないのです。

夫婦別会計だったとしても認められない

夫婦がそれぞれ自立していて、夫は夫、妻は妻でそれぞれお金の管理をしていて、生活費は必要な分を実費で精算するといった独立採算制をとっているようなご家庭もあるでしょう。

そのような場合でも、所得税法では夫婦はやはり一体として考えられてしまうのです。
いわゆる「生計を一にする」という概念は独立採算制であって関係ないのです。

私は税理士で、うちの夫は個人事業主です。
夫の事業の税務申告は私が行います。
夫が私に報酬を支払ったとしても夫はそれを経費にはできないのです。
うちの場合には、報酬は払ってもらっていません。どうせ経費にできないのなら、払わなくてもいいよね~という感じでしょうか。
なんとなく釈然としない面もあります。労働の対価が払われていないのですから。

ただ、最高裁で判例が出てしまっているので、もうどうしようもないのです。
いくら夫婦のあり方が多様化してきたとしても覆すことはできません。

もちろん、仕事をやってもらったのだから報酬を支払っていいんですよ。ただ、それを経費とはできないだけです。
私自身はむしろきちんと支払ったほうが、お互いを尊重している感じがしていいと思うんです。

間違っている人もいるかもしれない

けっこう夫婦間で仕事のやりとりをすることはあると思います。
もしかするとこれをお読みの方で、配偶者に支払った報酬を間違って経費として処理している方がいるのかもしれませんね。
所得税法で配偶者に支払ったお給料や報酬を経費とできるのは、青色事業専従者など本当に限られた場合だけなのです。

税務署に指摘されると痛いところなので、間違えないように注意してくださいね。

ではまた。

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