給与所得者 確定申告をすれば税金が戻ってくる場合もある

年末調整の時期が到来

こんにちは。

秋もだんだん本格的になってきて、そろそろ年末も近くなってきました。
各税務署ではそろそろ年末調整の説明会なども開催される頃です。

私もクライアントの年末調整の準備をしています。

考えてみると年末調整というか、源泉徴収制度ってすごい制度ですよね。
給与所得者(だけではないですが)が、給与を受け取る都度、一定額の税金をあらかじめ徴収しておいて、それを年末調整で確定させる。
年末調整は給与所得者の確定申告のようなものです。

サラリーマンの方は、税金の仕組みを考えることなく、税金や社会保険料が自動的に徴収される。
便利な制度ですが、別の見方をするならば、税金や社会保険について深い洞察をもつ機会を奪われているとも言えます。
世の中の大多数の人がサラリーマンですので、お上にとっては源泉徴収制度は、とりっぱぐれもなく、文句も言われにくい、非常に良い制度といえるのでしょう。

前置きはさておき、今日は給与所得者で年末調整を受けている人でも、確定申告をすることによって、税金が戻ってくる場合もあるということについてお話します。

「年末調整しているし、どうせ大した額ではないから、俺はいいや~」

なんて思っていないで、少し立ち止まってみることが大事だと思います。

給与所得者で確定申告をすれば税金が戻る場合

給与所得者で確定申告をすれば税金が戻る場合は、ざっと以下の通りになります。もし該当する人がいて、確定申告してみたいという方がいれば、国税庁のHPにいけば、簡単に申告書も作れますし、税務署でも教えてくれます。また、最寄の税理士会がやっている確定申告相談会などにいけば、問題なく確定申告はできます(譲渡所得があるような方は税理士会では受け付けてくれないので、税務署に相談してください)。

災害や盗難にあった人

本年中に、災害または盗難もしくは横領により、住宅や家財について損害を受け、雑損控除の適用を受けるとき。
雑損控除とは、所得から一定額(損害の金額を基に計算した金額)を差し引くことができるというものです。「雑損控除×税率」の分だけ税金が戻ってくる計算になります。

支払った医療費が多額だった人

本年中に支払った医療費が10万円または本年の総所得金額等の5%のいずれか少ない額を超え、医療費控除の適用を受けるとき。
これは勘違いしている人が非常に多いです。支払った医療費のすべてが戻ってくると誤解している人がいます。
そうではなくて、たとえば、総所得金額等が300万円の人がいるとします。
300万円×5%=15万円ですね。
10万円と15万円をくらべて10万のほうが少ないので、まずは医療費控除の出発点になるのは10万円となります。
その年に支払った医療費が13万円だったとすると、13万円-10万円=3万円が医療費控除の金額となります。
そして、3万円が戻ってくるわけではなく、「3万円×税率」分の金額が戻ってくることとなります。

また、普通の給与所得者にはあまりないことですが、そもそも所得税として納付している金額がない場合には返ってくるものはないことになります。
年金生活者などの場合で、そもそも税金を納めていない場合には、戻ってくるものもないということになります。

簡単な制度のようで、いろいろ世間では誤解が多いところなので、気を付けておきましょう。

年末調整で控除できなかったもの

普通の給与所得者であれば、年末調整でいろいろ資料が求められ、会社に提出します。会社に提出できなかった寄付金の証明書や生命保険料の証明書、地震保険料の証明書などがある場合は、自分で確定申告をすれば戻る金額はあります。
年末調整の際に出し忘れたものがあれば、確定申告で少しでも取り戻しましょう。

政治活動に関する寄付、認定NPO法人に関する寄付

政治活動に関する寄付をした場合や認定特定非営利活動法人及び公益社団法人等に寄付した場合の所得税額の特別控除の適用を受けるとき。
こちらは普通の寄付ではないので、通常年末調整では扱わないかと思います。
このような寄付をされた方は、寄付金の証明書があれば、簡単な手続きだけで税金が戻ってきます。

住宅ローン控除

居住用家屋の取得等をして住宅借入金等特別控除等の適用を受けるとき。
本年、住宅を取得してローンを組んだ方は、確定申告をすることで税額控除という非常に大きな特典を受けることができます。
取得の年だけは、自分で確定申告をしなければなりません(翌年以降は年末調整でOK)。これは失念してはなりません。

年の途中で退職した人

年の途中で退職し、年末調整されなかった人で、源泉徴収された税金が納めすぎになるとき。
転職した場合、転職先の会社で年末調整が行われることになります。
ただ、年の途中で辞めて、今年中には転職しなかったなどの理由で、年末調整が行われなかった場合には、通常、税金は納めすぎになっているはずなので、確定申告することで税金は戻ってくるのです。

配当所得がある人

配当所得があり、配当控除を受けることにより源泉徴収された税金が納めすぎになるとき。

原稿料収入などに関する経費があるとき

給与所得者でも、何かしらの副業をしていて原稿料収入などを得ている場合があります。原稿料収入は、源泉徴収がされていますので、税金の納付の面では問題ありません。
しかし、その副業をやるにあたって、何かしらの経費が発生している場合には、それを原稿料収入から差し引いて税金の計算することができるのです。すると、その経費分だけ税金が節約できることとなります(副業で行っている原稿料収入は雑所得にするのが一般的ですが、雑所得でも経費は差し引けます)。
その場合には、確定申告をすることで、「経費×税率」分の税金がもどってくることになります。

退職手当を受けた場合

退職手当の支払いを受ける際に、「退職所得の受給に関する申告書」を提出しなかったため、20.42%の税率で所得税及び復興特別所得税の源泉徴収をされた人で、その源泉徴収税額が正規の税額よりも多いとき。

退職手当が支払われた人で「退職所得の受給に関する申告書」を提出しなかったという人は(非常にレアだと思いますが)、一度きちんと税金計算をしてみることをおススメします。

ではまた。

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