私のかっこ悪い起業|それでも少しずつ前進すれば先に光が見える

子供の保育園卒園にあたって自分の今までのことを振り返る

人生にはいろいろ節目があります。
結婚して子供が産まれて、私は1年半の育児休暇を取りました。
そして、保育園に預けて仕事に復帰しました。それから5年、子供が保育園を卒園し、小学校に入学します。
私にとってはこれが一つの節目だと感じています。

保育園は働く母親にとってはなくてはならない存在です。
幸い保育園の環境はよく、やさしい先生たちに囲まれて、我が子は健やかに成長できました。
子供は5年間保育園にお世話になりました。

自分はこの5年間、自分の仕事の意味について真剣に考えていたように思います。
順調にはいかなかった5年間です。
だからこそ真剣に考えたのです。

今日は自分の仕事について振り返ってみたいです。

仕事に復帰できないかも

私は27歳のとき公認会計士試験に合格し、ある大手の監査法人に勤めていました。
そして、36歳のときに出産し、そのまま育児休暇を取得しました。
1年半ほど取らせてもらい、職場復帰することにしました。

しかし、そのとき激しい不況の波が押し寄せていたのです。
私の同期や先輩や後輩が、リストラの危機にありました。
もちろん、私のような子供を抱えた母親など当然会社にとってはお荷物の存在です。

最初は復帰自体危うかったくらいです。

なんとか職場に戻ったのですが、職場はひどい雰囲気でした。
いつ自分が辞めざるを得ない状況に追い込まれるかもしれないという疑心暗鬼で満ちていて、以前の和やかな雰囲気は皆無だったのです。
リストラ担当のパートナーがいて、みんながその人たちを恐れていました。
仕事を取り上げられて、一日中やることもなく職場にいるだけという人もいました。

自分たちは公認会計士で資格もあるし、社会的にも存在意義がある。
そういう自負は一瞬にして吹き飛びました。
そして、組織というのは結局のところ組織の論理で動いている。自分たちを守ってはくれないということも自覚したのです。

そういう不況は一時的なものです。いつかは解消されるのです。少しの間、我慢をしていればいいのかもしれません。
けれど、私はそこにいることが耐えられなくなってしまったのです。
前から監査法人での仕事の意味について考えることがありました。
結婚し子どもが産まれたので、なんとなく自分のそういう思いに向き合うことから遠ざかっていたのです。
職場復帰してリストラの嵐が吹き荒れる中で、私はあらためてこれからどうしたいのか考え始めたのです。

結局、やめて独立という決断をしました。
独立したって、監査法人に勤めただけの私には大層な経験もありません。
現に監査法人をやめて独立する人は年々少なくなっているのです。
リスクだらけなのです。

けれど、イヤな仕事を続けていても仕方がない。人生は一度きり。
子供のそばにいながら、幸せな気持ちで仕事をするためにどうしたらいいのか自分で考えた結果のことです。

ちょうどそのとき、あの3.11が起こり、私の思いはますます固まっていったのです。

下積みがなくてはうまくいくはずがない

半ば追い出されるような形で監査法人を退職した私。

もしかすると、このブログを読んでくださっている方は、私が公認会計士で資格があるから何の苦労もなく独立できていいわね、って思っているかもしれません。

確かに資格があることは有利に働く場合もあります。
でも大変なこともあるのです。

公認会計士の業務は大企業相手のもの。しかも業務内容は、監査という極めて限られたものです。
私が個人で独立しようと思うと、個人の事業者や中小企業を相手にした業務が中心になりますし、税務の業務が中心となります。

その点について、自分にはまったく経験がありませんでした。

周りの公認会計士の人を見ると、確かに監査法人をやめてすぐに独立される方もいます。
もちろん、税務業務は難しいことばかりではないので、それでも可能かもしれません。

しかし、私は自分には下積みが必要なのだと考えました。

そして、税理士事務所で働くことを考えたのです。

とりあえず履歴書をあちこちに送ってみましたが、結果はすべて不採用です。

それもそのはず、私は公認会計士の資格があるのですから。
税理士事務所が求めているのは、むしろ資格のない(資格を取ろうとしている)人なのです。
そのほうが所長の思い通りに安く使えますから。
小うるさい公認会計士を雇ってくれる事務所などありません(お客を持って行かれる可能性もある)。

その後、なんとか公認会計士の先輩方がやっている会社に雇ってもらい、下積みを始めることができました。
子供を保育園に預けながら、パートとしていろいろ経験させてもらいました。
税務業務のやり方のみならず、仕事のちょっとしたやり方、顧客との付き合い方、事務所の経営についても側で見ながら勉強できました。

ただ、頭で考えているのと、実際にやるのとでは大分違います。自分の要領が悪いだけかもしれませんが、うまくいかず失敗ばかりしていたように思います。こんなに簡単なこともできないのかと悔しい思いもいっぱいしました。

税理士として登録し、独立へ

私は、監査法人を辞めるときに、自分なりにこれからのロードマップを考えていました。
下積みをしながら税理士登録し、独立をする。
そして、子供が小学校に入ったときには、自宅を事務所として仕事をする。
そういう青写真です。

税理士として登録し、自宅を事務所として2014年1月に開業しました(税理士登録自体は2013年10月です)。
(公認会計士は税理士登録することが可能)

今、その目標はなんとか達成できています。
まだまだ自分がやりたいことが全部できているわけではないし、理想にはほど遠いものがあります。

「子供のそばで仕事をする」

この目標だけが達成できているだけでも、本当に自分を誉めたいと思っているのです。

保育園に預けられるありがたさ

今、保育園の問題がものすごく取沙汰されていますね。

「日本死ね!」

のブログを発端として、盛んに議論されています。
あのブログについて、言葉が悪いと言う人もいますが、あれが母親の本音なのです。私はすごく共感しました。
心の叫びですよね。

保育園に入れるか入れないかで本当に母親の人生も子供の人生も大きく左右されるのです。

もちろん、子供が幼稚園に入れるくらいまで、あるいは小学校に入れるくらいまで仕事をせずに自宅で子供と過ごすという選択肢もあります。
それがいけないというわけではありません。
けれど、保育園に預けている時代というのは、ある意味チャンスなのです。
私のように、安心して預けられる保育園に預けて、自分の仕事の下地を作るということが可能な場合もあります。
(このように書くと非難されるかもしれませんが、決して子供を二の次にするという意味ではないのです)

小学生になったら、勉強も見てあげなくてはならない。もっとよく子供の話を聞いてあげなければならない。
大きくなればなるほど親のケアが必要となっているのです。

だからこそ、子供を保育園に預けられる時期に、母親はできる限り下積みをして自分の仕事の道筋を付けなければいけないと思うのです。

今振り返って思うこと

負け惜しみではなく、私が職場復帰した時点でリストラの嵐が吹き荒れていて、よかったと思うのです。

もし景気のいい時代が続いていたら、自分のこの選択はなかったかもしれません。
そして、どこかで行き詰っていたかもしれません。

あのとき不景気だったからこそ、自分の思うままの方向に舵を切ることができた。
必要なタイミングで必要なことが起こったのだと、今は素直に思うのです。

人生捨てたものではないのです。

そして、結果を急がずに地道に進むこと。
その先にはちゃんと光が差し込む場所が待っているはずです。
私だって、まだまだなのです。けれど、その先の未来は明るいと信じられるようになってきました。
女性であり、母親になったからといって、どうしてこんなに辛い思いをするのかと悩んでいる人が、今いっぱいいると思います。

どうか諦めずに進みましょう。

ではまた。

坂 有希子「ごあいさつ」

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする