確定申告であった話
こんにちは。
確定申告ももうすぐ終わりです。
私は最後の電子申告を終え、ちょっと一息といった気分です。
しかし、今まで手薄になっていた仕事をやらなければならないので、しばらくはのんびりできそうにありません。
さて、今日のお話しは確定申告でこんなことがあったという話です。
ある知り合いの方がおりまして、その方は毎年ご自分で確定申告をされています。
給与所得と外交員報酬があるので、ご自分で確定申告をしているのです。
今年の確定申告は、諸事情があり不動産の売却などがあったため、税理士さんに依頼したそうです。
前年分の確定申告書のコピーを税理士事務所に提出し、業務の依頼をしました。
その方は外交員報酬に対しての経費を毎年計上しているそうです(経費分、所得が少なくなりますね)。
今回の業務依頼をする際にも、当然経費の計上をしてもらうことを前提としてお願いしたそうです。
確定申告書が出来上がり、納付書をもらい、納付を済ませました(電子申告を税理士側でしたようです)。そして、電子申告済みの確定申告書を税理士から渡されたのですが、外交員報酬に対する経費はゼロとなっていたらしいのです。
そもそも経費に関しても質問も何もされなかったそうです。
確定申告をする際の手順は
その話を聞いたときに、あり得ないと思いました。
仕事の依頼を受けた場合には、まず依頼者の話を聞きます。いろいろこちらから質問します。
その上でできるだけ依頼者にとって有利となるような申告を考えます。
つけられる経費があったら、当然それを確認します。
その上で資料をもらい、確定申告書を作成します。そして、申告書が出来上がったら、依頼者に草案として見てもらい、確認をとったうえで電子申告をするという流れをとります。
上記の依頼者の方がお願いした税理士事務所では、事前に話を聞き資料を収集するという作業と申告書が出来上がってから依頼者に確認するという作業を完全にすっ飛ばしていたようです。
常にこのようなスタンスで仕事をしているのでしょうかね?
確定申告の時期は忙しいから、いちいちお客さんの要望を全部聞けない?
補助者に申告書の作成をやらせていて、税理士自身は署名をするだけ?
もしかするとこんなやり方になってしまっているのかもしれません。
当然、依頼者の方はモヤモヤしたそうです。
誰のための何のための仕事なのか忘れないようにしたい
この話を聞いて、別にその税理士さんを批判したいというわけではないのですが、やはりひどいと思いました。
独立して自分で仕事をしている人は誰でも感じることなのですが、お仕事を依頼していただけるというのは、本当にありがたいことです。
その気持ちもあって、当然相手のお役に立ちたい、喜んでもらいたいと思うわけです。せっかく縁があって関わってくださったのですから。
そのために、まずは依頼者の要望を聞くのは当然だと思うのです。
もちろん、依頼者は税金のことを分かっているわけではないので、要望を全部聞くことはできない場合もあります。
経費を計上したいといわれても、根拠のない適当な経費はつけるわけにはいきません。
その場合には、きちんとできないことはできないとお話しした上で、納得していただく必要があります。これも大事な仕事のひとつです。
私たち税理士の仕事は、税金を徴収するという税務署の職員の立場で行うものではありません。
適法な範囲で、できるだけ依頼者が不利益を受けないように知恵をしぼっていくことが仕事のはずです。
上記の税理士さんは、なぜなのかはわかりませんが、このような当たり前のことを忘れてしまっているのかもしれません。
「他人の振り見て我が振り直せ」
まさにそんなことを思いました。
年月を経て、傲慢になっていかないようにとあらためて思う出来事でした。
ではまた。