東京23区賃貸物件の空室率の増加のニュース|安易な相続税対策に飛びつくことのないように

首都圏の賃貸アパートの空室率30%超の報道

賃貸アパート・マンションが過熱しているような気がする

先日、ネットでこのような記事を見かけました。

過去最悪!首都圏賃貸アパート「空室率30%超」の衝撃(日刊ゲンダイ)

相続税対策のせいなのでしょうか?最近あちこちに賃貸アパート・マンションが建築されているのを見かけませんか?

平成27年1月より相続税法の改正があり、首都圏に不動産をお持ちの方であれば、相続税が発生する可能性が高まってきました。

私の属する税理士業界では、この相続税法の改正によって、「相続」に対する熱が高まっているように思えます。集まれば相続税の話が多いのです。

税理士だけではなく、建築業者などは、不動産オーナーに対し、「相続税対策のために賃貸物件を建設しませんか?」と各種セミナーなどを設けて、営業活動に余念がないでしょう。

空室率30%超って・・・

ニュースを読むと、

今年3月の新築賃貸アパートの空室率は東京23区で30%超え、神奈川県の35.54%と千葉県の34.12%も過去最悪となった。

アベノミクスによる異次元金融緩和と低金利政策、さらには昨年1月に施行された改正相続税法が重なり、投資先として新設賃貸住宅の着工が急増しました。このデータはマスコミではほとんど報じられていませんが、どう見ても異常と言わざるを得ません。

とあります。

空室率が新築物件で30%超えってどうなんでしょうね?

普通、銀行から融資を受けるときには、事業計画書を出します。そこで、ある程度の空室率を見込んだ計画を立てるのですが、せいぜい20%程度なんじゃないかと思います。

それなのに、実際蓋を開けてみると、空室率は30%超え。

これって大丈夫なんでしょうか?

相続税は発生しないけど

私の家は賃貸経営をしていますので、賃貸経営がどんなに大変か身を持って知っています。

普通の人からすると、単なる不労所得のようにしか思えないでしょうが、実際にはそんなに甘いものではないのです。

あまり詳しく書きませんが、我が家は賃貸物件を相続しました。けれど、当初目論んでいたようにはいきませんでした。その後とても苦労したのです。

確かに賃貸物件を建築して、相続税は払わずに済みます。

先祖代々の土地を売らずに、子孫に残せたかのように思えるのです。

けれど、親が亡くなり、それを相続した子供が苦労することもあるのです。

このニュースにあるように、空室率が30%超えなんて状況になってしまえば、おそらく相続した子供は、将来いろいろな決断を迫られるでしょうし、つらい思いもするかもしれません。

今は金利は安いです。しかし、建築費は高騰しています。
そうすると、債務の元本金額が多額になってしまう可能性がありますよね。
その債務は将来どうやって返済するのか?

それは賃貸物件からの収入から返済するのです。
しかし、空室率が30%超えの状況だと、収入は少なくなってしまいます。
当然債務の返済は苦しくなりますし、なんとか回ったとしても手元に残る金額はほとんどないでしょう。
もしかするとあっという間に行き詰ってしまうかもしれません。

だから今の状況で、安易な賃貸アパート・マンションの建築はおススメできないのです。

もしかすると、普通に相続税を払ったほうがマシかもしれません。

不動産活況の今

東京の不動産は現在活況です(そろそろピークアウトという話も聞きますが)。

今はむしろ保有している不動産の出口戦略を練る絶好の時期ではないでしょうか?

アパート・マンションを建てるのではなく、自分の持っている不動産を洗い出して、処分できるものしてしまい、相続に備える。そういう選択肢もあるのです。

不動産賃貸業は、あくまでも「事業」です。
事業として、独り立ちできるようなものでなければ、やる意味はないと思ったほうがいいです(そうでないと、相続した子供が迷惑ですから)。
相続税対策で誰でもできるようなものではないのです。
とにかく、よくよく考えてからやってほしいものです。

ではまた。

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