NPOに関わること| いろんな経験が自分の価値を変化させていく

「NPOの教科書」という本

こんにちは。

ちょっとしたきっかけからあるNPO法人に関わることになりました。

都心で社会福祉に関する業務を行っているNPO法人です。

そのNPO法人で会計をやっていらした方が、そろそろ引退して休養を取りたいということから、会計業務をやる人を探していたようです。

以前からNPO法人に興味があり、勉強していましたが、そもそもNPO法人ってどんなものなのかということについて、さらに勉強してみたくなり、「初歩的な疑問から答える NPO法人の教科書」という本を読んでみました。

著者は、乙武洋匡さんと佐藤大吾さんという方です。乙武さんは、「五体不満足」という著書で有名になった方で、自らの障害をものともせずに、最近では保育園の経営などに乗り出されている方です。また、佐藤大吾さんは、自らNPO法人を立ち上げていらっしゃる方で、NPO法人に関する法整備などにも関わられた方であるようです。とてもNPO法人に造詣の深い方といえるでしょう。

正直、最初はこの本の内容には期待していませんでした。
NPO法人について、通り一遍のことが書かれているのだろうと予想していたのです。

確かに、非常に基本的なことが書いてあるのですが、NPO法人に深く関わってきた方の生の声という感じで、ほかの専門書やセミナーなどで語られることのない本質的な問題点や視点が多く盛り込まれていました。とてもおもしろかったです。

乙武さんは少し毒のあるところが苦手なのですが、この本の中では非常に淡々と質問者に徹しているところも好感を得ました。

NPO法人ってどんな法人なのか

NPO法人とは、非営利活動法人(Non-Profit Organization)のことです。すなわち、営利を目的とするのではなく、公益(たくさんの人の利益)を目的とした団体のことです。

日本のNPO法人は1995年の阪神淡路大震災に端を発しています。以前は誰かのために役に立とうという人の集まりは、基本的に法人格を持つことができず、単なるボランティア団体として存在していたのです。

1998年に非営利活動促進法(NPO法)が制定されて、行政により許可を得た団体は法人格を持って活動することができるようになりました。

法人格を持たない組織には、いろいろと弱みがあります。

たとえば団体に属するお金などで考えてみます。
お金は、団体名義で預金することはできず、代表者名義の口座に預金することになるのです。
(団体固有の財産とすることは法律上できず、代表者の財産となる)
また、行政から何か業務を委託されるような場合、法人格がない組織は相手にしてもらえないのが現実です。
法人格をもち、法人としての組織を整え、適切な経理を行い、それを市民に開示するといったプロセスを経ることで、社会的な信用が得られることになるのです。

NPO法が制定され、法人格を得ることで、NPO法人は社会から認知され、より多くの人の役に立つことができることになったといえます。

自分がNPO法人に関わりたいと思う理由

病気をすることで人の苦しみに気が付くこともある

人間はとても不自由な存在だと思います。

自分の思い通りに生きているつもりでも思わぬところに落とし穴がある。うまくいかなくなることがある。

私自身、そういう思いをしたことがあります。

公認会計士として大手の監査法人に勤めていたときのことです。
人間関係の悩みから、ある日、うつ病を発症してしまったのです。
あるとき、頭の中でプツンと何かが切れるような音がしたのです。

それまで、仕事も人生もうまくいっていると思っていました。
けれどそれが一瞬で変わってしまったのです。

病院で診察を受け、薬を出してもらい、数か月休職しました。

疲れた頭を休ませるために、薬でほとんど起きられない日が続きました。
当時は一人暮らしだったのですが、買い物にも行かず、生協に届けてもらいました。掃除もできないので、ダスキンの掃除のサービスも頼みました。

外に出たとしても、(数か月の間だけでしたが)普通に社会と関わることができないのです。

ずっと朦朧として、テレビの声もうるさくて、まともに見ていることができませんでした。

世の中には、病気や障害で苦しむ人がいる。身をもって体験したと言えます。

子供を持つことで今までの生き方が変わる

病気もよくなり、しばらくは薬を飲みましたが、今ではすっかり元気で、うつ病の気配もありません。

その後、結婚して子供を産みました。

子供を持つと、これまた世界が一変するのです。

子供を産むまでの期間も大変ですが、産まれた後は、社会とは隔離された家庭で子育てをします。今まで普通に社会で働いてきた自分が、子育てに専念するということが、これほどまでに自分に重くのしかかるとは思いませんでした。

ちょっとした自分の時間を持つことができない。子育ての悩みを話す人がいない。感謝してもらえる場面がなくなる。

自分の存在ってなんなんだ~って考えさせられる日々なのです。

もちろん子供はかわいいんですよ。

でも、今までのような人生は、もうないんだって思いましたね。

世の中には、こういう思いをしている女性がたくさんいる。
そういう気づきを得ました。

「弱者」と言い切るのはいけない。けれど弱っている人がいるのは確かなのだ。

うつ病になったときも、子育てで閉塞感を感じたときも、自分が弱っていると感じました。
こういう思いをしている人を「社会的弱者」と言い切ってしまうのは語弊があるかと思います(このような人をうまく表現する言葉が見つからないのですが)。
このような思いをしている人が置き去りにされる社会であってはいけないのだと思います。

子育てで弱っているときに、ちょっとまわりを見渡すといろいろな活動をしている人たちがいることに気が付きました。

子育て支援のボランティア組織、ファミリーサポート、子育てママが集まる場を提供するNPO法人。

NPO法人というものを意識したのは、このときだったように思います。

もしかすると、今の社会が必要としているのはこういう組織なのかもしれないと強く思いました。
つらい思いをしている人が多い世の中。

何か自分の人生に問題が起きたとき、もちろん解決するのは自分自身です。だけれど、よりそってくれる人がいるだけで本当に心強く思えるのです。そういう活動がもっともっと広がればいいなと感じているのです。

自分自身、いろいろな経験をすることで価値観(世の中の見方)が少しずつ変化していきました。

こういう組織のお手伝いをして、自分も社会と繋がっていきたいと思うようになりました。
(昔は自分のことばかりだったのにね)

私ができること

私は公認会計士・税理士として独立しました。
以前は監査法人に勤めていた頃は、ボランティア活動をしてみたいと思っても、体力や気力、時間的な余裕はありませんでした。

今の自分ならば、もう少しいろいろな活動にからんでいけるのではないかと思うのです。

私の持っている会計の知識や経験。
そういうものを必要としてくれる人がいるのかもしれない。

NPO法人はひとつひとつの法人が規模や業務などに違いがあり、会計も一様ではありません。
NPO法人だからといって一つの型にはめたような会計業務はできません。
まさにオーダーメードなのです。

上から目線ではなく、一緒に協力して築き上げていくようなお手伝いをしたと思っています。

坂 有希子会計事務所「業務案内」はこちら

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